JBL
Mr.BREXー諦めなかった男ー

アイシンにスウィープ!その原動力は...

JBLファイナルは予想だにしない幕切れだった。スリーピートを目指す絶対王者アイシンシーホースを、スウィープ(三連勝)で退けたリンク栃木ブレックスが初優勝に輝いた。JBLプレーオフ・セミファイナル第3戦からの1週間、神がかり的な逆転勝利の連続で4連勝。ブレックスファンはもちろん、多くのバスケファンをも魅了した。
優勝へ王手をかけた第3戦。冷たい雨降る中、月曜日にも関わらず開場前から長蛇の列。試合開始時点には最上階をグルリと囲む立ち見客。見慣れた日本バスケの環境とは明らかに異様な空間に映ったが、「あれが栃木なんです」と伊藤俊亮選手は一言で片付け、「栃木では毎試合が今日のような盛り上がりで、よりモチベーションが上がります」とMVPに輝いた田臥勇太選手、「僕らからすると当たり前。あの雰囲気は楽しいし、活躍すれば盛り上がるのでファンのためにプレイしようと思ってます」と川村卓也選手が続け、日本一が懸かった大一番でも気負いはなく、多くのファンに囲まれた状況こそが勝利をつかむ原動力となっている。

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熱い男が栃木のはじまり

ブレックスは創設3年目だが、さらに遡ること6年前から栃木にプロバスケチームを作るため、立ち上がった一人の男がいる。栃木県民にはおなじみだとは思うが、優勝を決めたら誰にコメントをもらいたいかと思った時に、いの一番に思い浮かんだのがこの熱い男である。
プロバスケチーム設立へ向けた夢の旅立ちは困難極まるものだった。当時はJBLの新規参入チャンスなどは公になっておらず、bjリーグ参戦のために始めた署名活動からスタート。その男の熱意とは反比例するように、冷たい視線が注がれる。諦めずに訴えかけ続けているとひとつの転機が訪れた。
日本リーグ(現JBL2)の大塚商会アルファーズが廃部となる。アルファーズのスタッフらなどが「栃木県にプロバスケチームをつくろう!」という有志団体を結成したのが2004年12月。すでに地元栃木で活動を進めていた熱い男の力を借りてタッグを組むと、自治体、学校、地元メディアを動かし、あっという間に署名は1万5千人を超えた。
レラカムイ北海道が新規参入を果たした新生JBL入りに照準を合わせる......。そこからの経緯は山谷拓志代表が日本トップリーグ連携機構で綴っている『リンク栃木ブレックス「プロチームの可能性」への挑戦<全3回>』をご覧いただいた方が分かりやすい。
今回紹介する方は、試合前には多くのファンと語り合い、試合が始まるとファンの輪の中に混じって大汗をかきながら一緒に踊る。運営会社ではスポンサーセールスを行う「金井 亨」氏こそ、ブレックスの魂である。暑苦しいほどの熱さ、そして諦めない気持ちが実を結んだ金井氏に優勝を決めた瞬間の感想などを伺った。

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バスケットを盛り上げて行きましょう

「信じられないですし、まだ実感が沸いてません。プロバスケチームを作ろうと始めた時は、こんな日が来るとも思ってもいませんでしたから...」というのが、優勝を決めた瞬間に感じたことだった。
「(企業チーム主体のJBLで)プロチームが優勝できたことは、これからバスケ界を盛り上げていく上でも良い結果になったと思います。プロリーグ化へ向けて動き始めたわけですから、世界に日本のバスケが通用するようにしていきたいです。そして男子バスケ日本代表がオリンピックに出場してもらいたいですね」。日本一へと導いたトム・ウィスマンヘッドコーチは、これから日本代表チームを指揮し、さらなる挑戦が始まる。ブレックスとしては、ウィスマンヘッドコーチに日本バスケが世界へ向けて飛び出す夢をも託しているのだろう。
6年前を振り返ってもらうと、「とりあえずバスケで栃木を盛り上げたい一心で活動を始めました。自分が成し得なくても、誰かに伝えられればそれで良いという思いで続けました。それがチームができ、優勝するまでになったことはすごくうれしいことです。選手は良くやってくれましたし、たくさんの方々のサポートのおかげです」
"5年で優勝"と掲げた目標が3年で早くも達成。あまりにうまく事が進みすぎ、山谷代表はプレーオフ中「恐い、恐い」と仰っていたようであり、ホームゲームをエスコートするMC AMIも「優勝したらなんかブレックスが無くなってしまうような感じで恐い」と語っていた。鬼コーチ・ウィスマンヘッドコーチも退き、燃え尽き症候群のような感じになるのではないだろうか?「プレーオフを制することはできましたが、レギュラーシーズンは2位でしたし、オールジャパンも優勝できていません。もちろん二連覇を目指して、3冠(プレーオフ、レギュラーシーズン、オールジャパン)獲れるようにがんばりたいです」と、さらなる目標を定めていた。
「ブレックスが優勝できたこともそうですし、栃木にプロチームができたことも、すべてはやればできるんです。諦めない気持ちが大事だと改めて感じました。bjリーグと一緒になってプロリーグ化も進めていくわけですから、みんなでバスケットを盛り上げて行きましょう」
ネガティブなことは言わず、純粋にバスケを盛り上げるべく邁進する金井氏。彼の話が聞けて良かった。大きな手でガッチリと握手できて本当に良かった。おめでとうございます!





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