海外バスケ
ジェリコ・パブリセビッチの言葉2010

現在、母国のクロアチアで活躍しているジェリコ・パブリセビッチコーチは、2003〜06年の日本男子代表監督時代に数々の名言を残し、日本の行く先を導いてくれた。
JBL・bjリーグの統合が検討されるなど過渡期にある日本のバスケットボール界に向け、「世界基準」のメッセージが再び届いた。
クラッチタイムから、このメッセージを定期的に紹介していこう。


ジェリコ・パブリセビッチ氏プロフィール
1951年3月26日生まれ。1975年までロコモティーバ (現ツィボナ/クロアチア)にて選手としてプレーしたあと、翌シーズンから10年間ツィボナのアシスタントコーチとしてキャリアを重ねる。1984-85シーズンよりヘッドコーチに昇格すると、当時20歳のドラゼン・ペトロビッチを擁して国内選手権とユーゴスラビアカップ優勝。1985-86シーズンにはヨーロッパカップでも優勝を飾った。1991年にはユーゴスラビアのPop84Splitをユーゴスラビアリーグ、ユーゴスラビアカップ、ヨーロッパカップの3タイトルで優勝に導きヘッドコーチオブザイヤーを受賞した。
クロアチア代表の強化部長を務めた後、2003〜06年に男子日本代表のヘッドコーチを務め世界選手権に出場。竹内公輔(アイシン)・譲次(日立)らを鍛え、桜井良太(レラカムイ)や川村卓也(リンク栃木)も見出した。指導した選手はトニー・クーコッチ(クロアチア・スプリット→イタリア・ベネトン→NBA)ら多数おり、2008年にはユーロリーグ歴代ベスト20コーチに選出された。

2008年にはユーロリーグ歴代ベスト20コーチを受賞!

日本のバスケットファンの皆さん、お久しぶりです。お元気ですか? 早速ですが、まずは日本を離れた後の私の取り組みからお話していきましょう。

世界選手権のあと、いくつかオファーがあり、クロアチア・ザグレブのヘッドコーチを務めることにしました。2008年はチームに外国人プレーヤーがいない状況でしたが、クロアチアカップで優勝することができ、約40年のチームの歴史の中で最高の成績で終えることができました。また、同じく2008年にはヨーロッパカップオールスターのヘッドコーチも務めました。さらにFIBAからユーロリーグの過去50年でのベスト20コーチ賞を受賞しました。これは大変名誉あることです。

他に、2008年からクロアチアのザグレブ体育大学名誉教授となり、クロアチア代表の強化委員もしています。TVでは主にヨーロッパ選手権やユーロリーグの解説をしています。クロアチアで1番大きい新聞である『VECERNJI LIST』でバスケットコラムも書いているんですよ。いくつかの指導者セミナーで講演も行いました。

まだまだコーチのキャリアは続けたいと思っており、新シーズンに向けてもいくつかのオファーがあります。その中で、自分の能力を十分に発揮できるオファーを選択中です。

パブリセビッチ氏に聞く、世界のトレンド

2006年以降も、世界的な実力、勢力図はほとんど変わっていません。USAが今も1番強いですが、アルゼンチンやヨーロッパ(特にスペイン)との差はさらに縮まりました。他にオーストラリアは今も高いレベルにいます。アジアでは中国が世界でも上位にいますが、ヤオ・ミンなしでは落ち始めていると思います。

今私のいるヨーロッパでは、スペインが1番美しく、速く、魅力的で強いバスケットボールをしています。その次が旧ユーゴスラビアの国々です。スペインの次に強い5つの国に旧ユーゴスラビアから3つの国が入っています。それはセルビア、スロベニア、そしてクロアチアです。

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ジェリコ・パブリセビッチ氏

ギリシャとリトアニアは以前と比べて力が落ちてきていると感じます。フランスは選手の能力が高くポテンシャルはあるのですが、それに見合った成績が残せて いません。ドイツは相変わらずダーク・ノビツキーが全てです。イタリアが2010年世界選手権のヨーロッパ予選を突破出来なかったことは残念に思いました。ホスト国・トルコは今から実力を見せないといけません。

私が特に注目しているのは、最高レベルにあるUSA・アルゼンチン・スペイン、それからセルビアとクロアチアです。その理由は、この2つの国は世代交代をしながらもいい成績が取れているからです。 もう1つ、世界的なニュースであり、私も注目しているのはイランです。アジア選手権で2度優勝しましたしオリンピックでも経験を積んで、ますます強くなっていくでしょう。中国のヤオ・ミンが怪我をしている状況はイランにとってはとても大きなチャンスです。

ベリコビッチ、トミッチ、そしてリッキー・ルビオの成長に注目

次に、私が注目している選手をお話しましょう。といっても皆が注目している選手ばかりだと思います。USAのレブロン・ジェームスとカーメロ・アンソニー、アルゼンチンのエマニュエル・ジノビリとルイス・スコラ、ブラジルのリアンドロ・バルボサ、アンダーソン・バレジャオとネネ(マイビネリ・ロドニー・ヒラリオ)、スペインのパウ・ガソルとルディ・フェルナンデス、フランスのトニー・パーカーなどです。

ですが、私自身が注目している選手はスペインのリッキー・ルビオです。彼の才能は皆さんもご存知の通り非常に高く、18歳の段階でバルセロナや代表チームで大活躍しています。2009年には初の1990年生まれのNBAプレイヤーとなりました。ルビオ以外で特に注目しているプレーヤーは、レアル・マドリードのノビカ・ベリコビッチとアンテ・トミッチです。トミッチは去年100万ユーロで契約した選手で、2013年までには頂点にたどり着くでしょう。

2006年以降もバスケットボールのスタイルはどんどん速くなる傾向にあり、ピック&ロールとジャンプシュートという形が増えてものすごく長身のプレーヤーを軸にするというのは少なくなってきています。また、ルール的にもオフェンスに有利になり、ロースコアのゲームは少なくなってきています。それはバスケットボールがさらに魅力的になってきていると言えると思います。
(通訳:楠本賢)





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