11月までは11勝3敗とウエスタンカンファレンスの首位を走り、今シーズン開幕当初から好調な大阪エヴェッサ。しかし11月26日(土)、宮崎シャイニングサンズとのホームゲームでチームの大黒柱であるリン・ワシントン選手が負傷。全治1ヶ月の離脱を余儀なくされた。そして迎えた12月1日(木)、イースタンカンファレンス上位グループの一角である千葉ジェッツと対戦し75-59、まさかの大差で敗れた。
今シーズン初となるオーバーカンファレンスチームとの対戦であり、大黒柱を欠いた初戦で喫した黒星。今シーズンより大阪エヴェッサの司令塔として早くもチームにフィットしている青木康平選手に試合後、この状況について質問を投げた。
「これまで連勝していた時も、負けてもおかしくない試合はいっぱいありました。その負けそうなところをつないで勝利に導いてくれたのがリン(・ワシントン選手)でした。リンがいてくれることで僕がノーマークになれましたし、ピックしてくれるだけで他の選手もノーマークが作れていたと、今、すごく感じています。一緒にプレイしていた時もそのありがたさは感じていましたが、いなくなってなおさら感じています。でも、リンがいなくてもできる部分もあると思っています。今日の試合では細かい部分を一人一人ができておらず、気負っちゃってました」。
青木選手自身、10得点と辛うじて二桁得点を挙げたがシュートの精細を欠いた。
「前半は問題無いと思っていたのですが、後半はやっぱりメンタルの弱さが出ました。リンがいるのといないのでは全然違いました。決めなくてはいけないと思って打つのと、流れで打てている時は意識が全然違います。最後、ノーマークで2本打ちましたが、左右にはぶれてないのですがショートでした。やはり気持ちの面で弱さがあり、決めきれなかったということです。リンがいれば安心して流れに乗ってシュートを打てていましたが、今日は考えすぎてしまいました」。
さらに、チームメイトがシュートを打った瞬間、リバウンドに入っている選手がいない場面が多々あった。その結果、リバウンド数は千葉ジェッツ72本に対し、大阪エヴェッサは53本と大きく差が開いた。ライアンHCもいの一番にこの点を敗因として挙げた。
「もしかしたらこれもリンがいない影響かもしれません。シュートセレクションは悪いし、相手からすると打たして良いと思っている選手にシュートをさせていたのかもしれません。それでも決めなきゃいけないし、やっぱり厳しいですね、この状況は...」。
全治1ヶ月と診断されたワシントン選手だったが、ライアンHCは「早ければ12月17日、アウェイの秋田戦で復帰できるかもしれない」とも言う。しかし、ワシントン選手がいない期間もしっかりと勝ち星を挙げないと、開幕からの良い流れが途切れてしまう恐れもある。ここからどう立て直すべきだろうか?
「これはチャンスだと思っています。もちろんリンにはもう二度とケガをして欲しくないし、チームの誰一人としてケガをして欲しくありませんが、こういう状況になることは今後も絶対にあり得ることです。大黒柱が抜けた今こそ、僕らはステップアップできるチャンスでもあります。今日の試合で言うと細かいリバウンドが全然獲れなかったり、ルーズボールを追わなかったり、ディフェンスも良くなかったりと、リンがいても徹底しないといけないプレイができなかったことが一番の問題です。だからこそ原点に戻って、自分がやるべきプレイをしっかりやった上で、自分たちがステップアップできることに取り込むことが、リンがいない今だからこそできる一番大事なことです」。
ライアンHCもまた、「チームメイトがステップアップする必要がある」と話していた。このチャンスを生かすためにも、日本人選手がもっと活躍しないといけない。そのために必要なことは何だろうか?
「もっとフィジカルにディフェンスをしないといけません。今日の試合でもソフトでした。先週(11月26日-27日)、宮崎と対戦した時、相手はデカくはないのですがフィジカル強くプレイしていました。その中で我々も当たりの強さの必要性を感じています。あとは精神的な部分が大きいです。やっぱりプライドを持って戦わないといけませんし、大阪エヴェッサはチャンピオンを目指して戦っているわけですから、今日のような負け方は情けないです。そこは身長に関係無くもっとプライドを持って戦わないといけないし、僕自身もそうです」。
フィジカル強いプレイの必要性。小さな青木選手が、この試合でもマッチアップしている身長差ある選手をよろけさせているシーンが何度かあった。この取り組みについては、青木選手が監修した「U-170cmのためのパスケットボール」をご覧あれ(好評発売中!!)。さらに青木康平選手監修「U-170cmのためのパスケットボール」発売記念クリニックが12月10日(土)NKS-405にて開催!
さて、新天地に移った青木選手は何だか柔和な感じになり、これまで以上に楽しそうにプレイしているように見て取れた。
「そうですか?昨年はやっぱり辛かったです。シーズンが始まる前にチームの体制が変わり、システムも変わって、プレイタイムもあまりもらえず本当に辛かったです。でも、昨年があるから今があります。辛いことを経験したからこそ、自分のスタッツやプレイよりもチームメイトをどう生かすかということを考えるようになりました」。
大阪エヴェッサの環境はどうだろうか?
「一番最初に思ったのはすごくしっかりとしたチームだと言うことです。初年度からあるチームですし、チャンピオンになったこともあり、今もそこを目指しており、メンバーもあまり変更無く安定しています。環境もすごく良いですし、一番を狙っていることでみんなの意識も高く、僕としてはありがたい環境です。僕のことをライアンもリンも分かってくれていますので、すぐにチームに溶け込むことができ、すごくやりやすさはあります」。
最後に昨シーズンのチームメイトと戦ったこと、そして東京アパッチ時代のブースターが会場にいたことについて伺った。
「(東京時代のチームメイトと対戦できたことは)うれしかったし、楽しかったけど、こういう負け方をすると辛いですね。でも、こうして対戦相手だとしても同じコートの上で一緒にプレイできるのはうれしいですね。東京時代からのブースターが応援してくれたことも本当にありがたいことです。わざわざ仙台や地方から来ていただいた方もいました。もちろん大阪から来てくれたエヴェッサのブースターもおり、本当にありがたいことです」。
この話を聞いた翌日、しっかりと千葉ジェッツにリベンジを果たした。青木選手も17得点、5アシスト、FTを9本全て決める活躍を見せた。青木選手がこれまで成し遂げられていない夢、それはbjリーグを優勝することだ。長いシーズンを首位で通過しても、一発勝負で決まるFINAL4では何が起こるか分からない。悲願のリーグ制覇に向けて、早い段階で試練がやって来たことは、大阪エヴェッサにとって、そして青木選手自身にとって吉と出るか?いや、吉とするためにも、きちんとステップアップする必要がある。
text by IZUMI
ツイート
詳細や試合結果は各サイトへ |
バスケットボールメディア |
全国主要一般参加型大会
|