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ふぞろいな街 ー被災地浦安バスケコート清掃活動ー

東京からほど近い被災地・浦安

写真 駅から出ると「がんばろう浦安」の文字が掲げられ、下に目を落とすと尋常じゃない砂がバスロータリーの縁石沿いに積もっている。
東京から一番近い被災地、千葉県浦安市。液状化現象により多大なる被害を受け、今なお復旧活動は続いている。

東京アパッチのサイトで「新浦安地区のバスケットコートを綺麗にしよう!」というリリースを拝見し、福島や仙台にはおいそれとは行けないが、浦安ならばとその現状を見るべく"イベント"に参加。
イベントと言うと不謹慎と思われる方もいるだろう。しかし、この活動の発起人・大久保さんの意見を尊重し、あえてイベントと言わせてもらう。

駅から現場となるバスケコートまで歩くと道はボッコボコである。
歩道に敷かれたレンガは剥がれ、車道もアスファルトがめくれ上がり段差ができている。本来であればフラットでキレイな景観だったであろうはずの街が、液状化現象によりふぞろいな街になってしまった。
この目で見た現状は3週間経過した状態だったが、震災当時の状況からこのイベントについて様々な実状を大久保さんに聞いた。

1m飛び出たマンホール。1m沈んだ校庭。

写真 「アパッチのサイトに掲載された写真は私が送ったものですが、液状化で道が壊れており、マンホールが1m飛び出たり、家も傾いていたり、泥で埋まったり、浸水したり、本当にひどい状態で大変でした。今は急ピッチで工事して直った方です」
(右写真の青いビニールシートが被せてあるのはマンホール。実際はもっと飛び出しており上はカットしたと言う)

イベントに参加した地域の方に伺うと、ひび割れた地面からまず水が噴き出し、その後に砂が舞い上がったと言う。さらに学校のグラウンドが1mほど沈んでいた。校舎に入る玄関には板を置いてスロープを作りその場を凌いでいる状況。最初は階段か何かがあり、そこだけが崩れたのかと思っていたら、グラウンド全体が沈んだと言う。1m近くも......である。
花壇は一輪の花だけが本来の位置を保ち、残りはストンと落ちている。液状化現象の恐怖を目の当たりにした。
その学校の水は4/1にようやく復旧したばかり。浦安のライフラインはどうだったのだろうか?

写真 写真

写真左:赤丸が付いている花が本来の位置、残る花は地盤と共に下に落ちた。
写真右:校庭部分が落ち、学校の基礎部分が露わになった。

写真 「ガスと水道、電気は結構止まってました。ライフラインの復旧には時間がかかりました。学校などの公共施設は後回しで、マンションのように一つ直せば多くの世帯が復旧する場所から作業していました。自宅も1週間ほど水は止まっていました。一部地域で水が出ているところがありまして、そこまで取りに行ったり、自衛隊などの給水車で水を得ていました。今川地区の方はあと半月くらいは直らないと言われています」

誰かがやらないといけない

バスケコートも地割れでヒビが入り、ゴールは右向きに曲がっている。一面砂で覆われ、本来のカラーコートの色が見えない。ここもまた「公共施設は後回し」の対象である。

「いろんな思いはありますが...誰かがやらないといけないと思っていましたが誰も始めない感じでしたので、周りの方々に声を掛け合い、そこから始まりました」

バスケコートをキレイにすべく、立ち上がった大久保さんら有志の皆さん。そこにアパッチが参戦したその経緯は?

「アパッチがボランティア活動をしていると聞いていたので、勢いで電話してみました。ダメ元で(笑)。そしたら、こんな展開に発展しました」

東京・埼玉・千葉のbjリーガー集結!

写真 大久保さんらの行動力が実を結んだ結果である。
アパッチの協力もあり多くのボランティアが集まり、2時間を予定していた清掃活動はみるみるうちに砂は無くなり、1時間を越えた頃にはキレイになっていった。曲がっていたリングは中村友也選手がリングにぶら下がりながら揺すって修正。
集まったのはアパッチの選手だけではなかった。同じく活動中止となった埼玉ブロンコスから新井 靖明選手も「呉屋選手のブログを見て」駆けつけた。さらに今シーズンから新規参戦する千葉ジェッツのスタッフも共に汗を流した。
多くの方の尽力により、再びバスケを楽しめる環境が復活した。
しかし、どこの屋外バスケコートでもつきまとう問題だが、大なり小なりを怪訝に思う方もいる。

もっと広がれ!バスケで社会貢献

「このコートは大人と子供が触れあえる場所であり、何が正しくて何が間違ってるかを学べるすごく良い場だと思っているのですが...。
実は近隣の方の中には気に入らないと感じている人もいます。私自身、このイベントを行うにあたり『こんな場所は液状化で無くなってしまえば良いのに、お前は余計なことをしてくれたな』とも言われました。そんなことに負けてられない、正しいと思ったら勇気を持ってやるしかない、とやってきました。この活動のおかげで、市の偉い人もこのコートを潰しちゃいけないと思ってくれるんじゃないかな、そう思ってます。今回の活動はすごく良かったなと思います」

写真 清掃終了後の挨拶で、大久保さんは開口一番、参加してくれた方々に対して「捨てたもんじゃない」と言っていたのが印象深い。

「アパッチにご協力いただいたことにより、人の集まりが良くなり、この活動がすごくスムーズにできました。ボランティア活動も単なる宣伝とかではなく、人のつながりが本当に役に立っており、ありがたく感じました。バスケが地域貢献に本当になっちゃったことを今日、目の当たりにしました。このようなイベントとしてのボランティア活動が広まってくれれば、バスケで社会貢献の可能性ももっと広がると思います」

最初にあえて"イベント"と呼んだのは、この大久保さんの思いを率直に伝えたかったからだ。
このイベントにはアパッチブースターはもちろん、アパッチを知らない近隣住民も多数参加していた。一緒に作業しながら、この3週間の間に起きたことを住民の方はいろいろと話してくれた。しかし、最後には「東北の人たちに比べたらこんなのはかわいいもんです」と言う。

人のつながり......。
この日この場所に集まった方々だけではなく、一人一人の思いは間接的かもしれないがいろんなところへ届いているような気がした。震災によりふぞろいになった街は、人のつながりにより少しずつフラットな平常へと戻しつつある。
今、皆さんが行っている何気ない善意のアクションは、必ずどこかにつながっており、街や人の心を平らにしている。

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最初は砂場のような状況だったバスケコートをシャベルで砂をかき、ホウキで掃いて、元の姿に戻った浦安バスケコート。最後はみんなで記念撮影。お疲れ様でした。





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