bjリーグ
東京アパッチ、波瀾万丈なシーズンを振り返る
最下位もあり得る...シーズンの幕開け
2009-2010シーズン開幕一週間前、青木康平選手は「なんか2シーズン目にすごく似ている。全くチームも作れていないし、最下位もあり得る...」と、開幕前の高揚感は無く絶望感さえ漂う声で話していた。
オフシーズン中には運営会社が変更となり、新たなる指揮官が決まったのは開幕まで半月もない9/16。外国人選手はジュリアス・アシュビー選手とニック・デービス選手のみ、ロスターはたったの8人。新戦力の板倉令奈選手、呉屋貴教選手がチームにフィットする時間もないまま開幕の日を迎えてしまった。
青木選手をはじめ、仲西翔自選手ら昨シーズンも戦ったメンバーが奮闘するも、個人能力に頼っているだけの戦いを強いられる。10月末にラシード・スパークス選手が合流し、練習生だった木村実選手、比留木謙司選手が昇格。なんとか11人となったが、勝率5割(4勝4敗)に戻した10/25埼玉戦を最後に、 その後の2009年は1勝しか挙げることができなかった。デービス選手が契約解除となり、マイケル・シャペール選手が新たに加わるが、年が明けても東地区最下位のまま。
最下位からプレイオフ進出への躍進
新外国人ジェレル・スミス選手を獲得し、ケガで出遅れた選手も復調すると、東京の巻き返しが始まった。1月末に浜松、2月1週目には仙台と同地区上位を倒し、西地区上位の大阪も破ると5位に順位を上げ、プレイオフ圏内がかすかに見え始める。3月には4位争いをしていた埼玉に2連勝し、ライバル富山が上位チームに敗れ4位浮上。そして迎えた4月。富山に2連勝すると、4/24、25新潟戦も連勝し4位確定。プレイオフ進出を決めた。
5/7に行われたラストホームゲームは全選手がコートに立ち、ブースターとともにプレイオフへ向けてさらなる結束を高めた。最終戦を落とすも、シーズン終盤の勢い(プレイオフ進出を決めた4月は6勝2敗)は、首位・浜松としても気になるところだろう。
レギュラーシーズン最終戦が終わった後、キャプテン仲摩純平選手に激闘の今シーズンを振り返っていただいた。
これまでの東京の成績
- 2005-2006:3位(プレーオフ3位)
- 2006-2007:8位(最下位)
- 2007-2008:東地区2位(プレーオフ2位)
- 2008-2009:東地区2位(プレーオフ2位)
- 2009-2010:東地区4位(プレーオフ出場)
勝ちたいという気持ちとポテンシャルあるチーム
- 開幕前、チーム作りがなかなかできない状況の中、どのような心境で今シーズンを迎えたのでしょうか?
- 仲摩選手:シーズン前は明らかに準備期間がなく、チームとしては痛手でした。シーズンが始まってからもニック(デービス)やスタッフがいなくなったことなどショックな出来事がいろいろとありました。
- 3勝しかできなかった11月からの3ヶ月間、キャプテンとしてどのようにチームを修正しようとしていましたか?
- 仲摩選手:チーム全員は「勝ちたい」という気持ちを持っていましたが、なかなか結果に結びつけることができませんでした。選手のポテンシャルは十分にあるのですが、元気がなく、チーム内の雰囲気も暗かったです。なんでも良いから練習中から声を出したり、チームメイトに話しかけたりしていましたね。準備期間が遅かったですが、それぞれの役割を把握し、チームメイトを理解し始めてきたら、どんどん良い方向に向かっていきました。
- 今シーズンのホームゲームは平日開催ゆえ週4試合や10日間で6試合などハードスケジュールが続きましたが、チーム内の疲労度はどんな感じでしたか?
- 仲摩選手:東京は出てる選手と出ていない選手が偏っていましたので、出てる選手は目に見えて疲れてると感じました。僕も含めてベンチメンバーが試合に絡んでいけたら、「疲労がたまっている選手たちを助けてあげられる」ということを意識してプレイしていました。東京は日本人も外国人も良い選手が揃っています。控えメンバーだけでも良い試合はできるという自信はありましたし、それが最後の最後で良い形となって現れました。
- 2月になるとようやく勝ち星が増えはじめ、最下位から5位に上がり、3月には4位、そして4月にはプレイオフ進出を決めました。この間、チーム内でどんな変化があったのでしょうか?
- 仲摩選手:先ほど言いましたが、準備期間が少なかった分、後半になるにつれてチームメイトを理解できてきたことが勝利につながったと思います。辛い時期を乗り越えたことも、チームが良い方向へ向かう原動力になったのかもしれません。
- 逆に言えば、シーズン前にきちんとチームを作る時間を取れていれば、こんなにブースターをヤキモキさせるシーズンにはならなかったということですか?
- 仲摩選手:そうですね。開幕時はラシード(スパークス)もいなかったですし、途中からマイク(マイケル・シャペール)が来て、最後にJJ(ジェレル・スミス)が来て...、そんな状態でしたから最後に調子が上がってくるようなシーズンになったのはしょうがないことです。結果として、プレイオフ進出を決められたのは本当に良かったと思っています。
- 過去2シーズンもプレイオフではアップセットを繰り返し、2年連続ファイナルまで進んでいます。レギュラーシーズンとプレイオフの違いをお聞かせください。
- 仲摩選手:大きな違いは一発勝負ということです。実力だけではなく、やはり「運」も必要となります。いかにその「運」を掴み取れるかが大切です。あとはディフェンスの勝負になります。普段ならばムリせず行かせるところも、思いっきりファウルをしてでも止める場面も多々出てくるのがプレイオフです。いかにディフェンスをがんばるかを意識して戦えば、良い結果は付いてくると思っています。

- カンファレンスセミファイナルの相手は浜松ですが、その勝算は?
- 仲摩選手:浜松にはかなりイケると思っています。インサイドのファウルトラブルに気をつけて、あとは普段通りにやることプラスアルファ、カンファレンスセミファイナルまでに監督と選手同士で浜松対策を話し合って、より明確な勝算を見つけていきたいです。
- 今シーズンも残すところプレイオフのみとなりました。最高の結果を目指す意気込みとブースターへのメッセージをお願いします。
- 仲摩選手:優勝したいです!そのために一生懸命やってきましたので、必ず優勝したいです。ブースターの皆さんには、いろんなチーム内のゴタゴタに巻き込んでしまい、ご迷惑をおかけしました。最後までたくさんの方が応援に来ていただけるのは本当にうれしいことです。これからも応援よろしくお願いします。
- ファイナルは"実家"とも言うべき有明コロシアムです。是が非でもファイナルに帰って来たいですね!
- 仲摩選手:昨年までいた選手たちにとっては有明はホームなので、何とかまたあの場所で試合がしたいです。有明ならば、東京にとってもさらに良いゲームができると思うので、有明を目指してがんばります。
ギリギリ4位に滑り込んだ東京だが、出遅れた分、帳尻を合わせるようにチーム力が増していった。ブースターでさえも年明け頃はプレイオフを想像できなかったのではないだろうか?波瀾万丈なシーズンを乗り越えて迎えるプレイオフ。
初戦は、昨年のカンファレンスファイナルでアップセットし、ファイナル進出を決めた浜松との対戦。今シーズンの対戦成績は4-2で浜松有利だが、そのうち2敗はチーム状況がままならなかった開幕戦。その後の直接対決は2勝2敗。確かにチャンスはある。
浜松・東三河フェニックスを倒し、苦しいシーズンを這い上がって来た東京こそが「不死鳥」の如く、bjリーグを制覇することができるか?まずは5/15、16@浜松アリーナにて有明を目指すプレイオフが始まる。