柏レイソルが優勝し、Jリーグは19回目のシーズンを終えた。
Jリーグが誕生した1993年。その1年前、サッカーがプロ化する話題はあったが、それ以上にバスケが盛り上がっていた。1992年と言えば、バスケ界がプロ選手を許可した画期的な年。そう、バルセロナオリンピックで初めてNBAを始めとしたプロ選手の出場が可能になった。ドリームチーム(アメリカ代表)がバスケを知らない老若男女のハートを鷲づかみにした。「スラムダンク」も同じく子供たちを始めとしながら、多大なる影響を与えてバスケブームが到来。日本で細々と行っていたリーグだが、いつプロ化し、NBAと交流したりオリンピックでドリームチームといつ対戦できるのか?まだ西アジア勢が台頭してきていない時代であり、夢は現実に近いはずだった。ちなみに1991年バルセロナオリンピック予選時の日本はアジア3位。
その頃のサッカーなんて、黄色い芝に土が混じったような痛々しいグラウンドを駆け回り、競技場は閑古鳥が鳴いていた。ワールドカップなんてテレビの中の世界であり、筆者の周りで本当にそのピッチに立とうなんて言ってるのは大空 翼くらいのものだった。
しかし、Jリーグを立ち上げてプロ化したその年、観戦チケットは一気にプレミア化し、夢のまた夢であったワールドカップに届きそうなところまで一気に駆け上がった。敗れはしたが、夢を現実視できたのがドーハの悲劇だ。
100年構想を掲げるJリーグ、まだその構想は1Qも迎えておらず、さらなる紆余曲折をしながら、歴史を紡いでいる。Jリーグが誕生し、バスケを愛する者としてプロ化したことが一番羨ましいことだった。これまでは......。
チーム加盟資格条件には、自治体を確定すること、15,000人以上の席数あるホームスタジアムで開催すること、JFLで平均3,000人以上の集客実績があること、経営面の昇格基準をクリアしていること(J2は年間収入1.5億円以上)、などなど具体的な数値が書かれている。
月日が流れ今、一番羨ましいと思う条件は、「アンダーカテゴリー(U-18、U-15、U-12)の育成を行うこと」である。20年目を迎えるJリーグは、この育成システムを義務づけたことでJリーグではもちろん、世界で活躍できる選手が雨後の筍の如く現れている。
中高は3年、大学でも4年間でその育成は途切れてしまう学校の仕組み。進路により監督が変わってしまうことで、強化方針は最悪180度違うものになり、3年間で築き上げて来たものは意味を成さなくなる恐れもある。バスケで言えば、高校では全国区の桜花学園だが、その大学部の今年のインカレロスターに桜花学園高出身者はゼロ。いくら一貫した私立学校でも、スポーツとなるとその強化は一貫されておらず、進学して新たに積み上げているのが現状だ。
羨ましい限りのJチームの育成システムであれば、年齢別にチームが求める強化を段階に踏んで成長させることができる。さらに才能ある選手には飛び級があり、高校生でもトップ昇格を果たした例もある。一過性ある強化プログラムだからこそできるシステムであり、優れた指導者の元でプロを目指して基礎から培った技量は他のチームへ移っても発揮できる。
バスケ界もプロチーム傘下のスクールなどはできているが、まだまだ整備が整うところまでは来ておらず、逆に学校単位ではないと大会に出られないような弊害もある。現在、bjリーグ19チーム、JBL18チーム、WJBL13チームとそれぞれあり、各地域に点在する。育成を徹底しながら、地域にバスケを定着させ、チーム体力をつけながら普及させたいところだ。
育成チームはプロチームに限ったことではない。JFLに所属する横河武蔵野フットボールクラブは、NPO法人で運営され、その基盤は社会人バスケでも有名な横河電機である。地元ではこの横河武蔵野FCのロゴの入った多くの子供たちがスクールへ通っている。サッカーだけではなく、横河電機ラグビー部も子供たちを集めて教えており、いつも横河電機のグラウンドは賑わっている。バスケでも大田区では、エバラビッキーズがバスケとチアダンスのスクールを行い、ホームゲームではたくさんのチビッコが会場に詰めかけている。
企業として地域貢献を求めている今、プロチームとはまた違った目的で裾野を拡大することはできるはずだ。
日本代表こそ強化を一貫し、国際大会で得た経験を紡いでいかなければいけない場所である。しかし、ジェリコ・パブリセビッチHC(現島根)以降、アジアでの真剣勝負が行われる度に指揮官のクビが挿げ替えられて来た男子日本代表。今はまだトーマス・ウィスマンHCの進退問題は出ていないが、来年にオリンピック最終予選を控える女子日本代表に至っては、中川文一氏からJXの内海 知秀氏へスッパリと切り換えられた。新たに強化する時間が無いにも関わらずである。
これまでも失敗するとヘッドコーチを変え、全てをやり直してきた。これは日本代表だけの話では無く、大概このようなチームは良い結果を得られていない。クビという一番大きな責任が、HCだけにあまりにも大きなウエイト比重でのしかかりすぎである。プロっぽいことをHCや選手だけに求めてはいけない。まずは管理者こそ責任と危機感を持ちなさい。
辞めさせることは簡単だ。
失敗した時こそ積み上げたものを管理者、スタッフ、選手ともども反省し、その経験を生かしてもらい、次へ向けた活力に変えて欲しい。そのための最高の改善策がHC交代ならば、それは致し方無い。しかし今は、次の責任をなすりつける人物を持って来ただけにしか思えない。
結んできた物を一定期間でパッと開いて無くしてしまうのは学校のサイクルと同じである。しっかりと結んで、紡いでいく育成プログラムは急務であり、日本代表はもちろん、各チーム単位からそのシステムを作り、新しいバスケ文化を築いて欲しいものだ。そのような環境整備からの強化を含め、女子や世界を巻き込みながら、名ばかりのプロリーグを超越した革新的な次世代型新リーグならば------許す。
text by Izumi
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