下馬評を覆す活躍で初戦の格上カメルーンを相手に1ー0でを勝利し、日本中を熱狂させた日本代表。某誌ではチーム力を測るのに、点数を入れた選手がどこに喜びを表すかと綴られていた。2002年ワールドカップのロシア戦でゴールを決めた稲本選手がベンチの秋田選手のもとに駆け寄り喜びを分かち合い、レギュラー組とサブ組の一体感こそ、チームの結束力を示している、とある。
本田選手がゴールを決めた後の行動を注意深く追うと、真っ先にベンチメンバーに飛び込み、「これは行ける」という確信を抱いた。もちろん、これはサッカーの話である。
バスケの日本代表もこれくらい話題になって欲しいのだが、2006年に日本開催で行われた世界選手権はあったが、なかなかアジアの壁は破れない......と、お思いではないだろうか?
女子バスケは、1996年アトランタオリンピック以降、2002年のアテネを経て2大会おきに出場しており、次のロンドンオリンピックこそ順番で言えば出場が濃厚な大会となる。
さらに昨今、アンダーカテゴリーは輝かしい成績を収めている。一昨年前のU-18FIBAアジア選手権では中国を破りアジアの頂点に立った。昨年は大学生で挑むユニバーシアードにて、決勝トーナメント進出こそ果たせぬも、その後の順位決定戦を負けることなく、最後は中国を破って世界9位。また新たなるカテゴリーとして設立されたU-16FIBAアジア選手権では準優勝。着実に世界への扉をこじ開け、最高の経験を積んでいる。
昨年9月、インドで開催されたFIBAアジア選手権。過酷な環境で行われたこの大会では、試合中に体調不良を訴えベンチに下がるや否や嘔吐し、試合後に救急車で運ばれる選手が相次いだ。原因は不明。摩訶不思議な慣れない環境が最大の敵となり、女子日本代表を襲った。
しかし、屈強な精神力とチームの団結力で上位3チームに与えられる世界選手権の切符を辛うじて3番手ながらももぎ取り、2大会ぶりとなる出場権を獲得。
2004年アテネオリンピック以来となる世界大会。空白の6年間、そして10年ぶりに日本代表ヘッドコーチに返り咲いた中川文一ヘッドコーチも、「アジアの情勢を分かっていなかった」と昨年のアジア選手権後に語っており、世界の動向を現在進行形でかき集めているはずだ。
現在のスポーツは情報戦とも言われる。最新の世界情勢を目の当たりにすべく、今年度最初に行った強化試合の相手はオーストラリア代表。前回、2006年世界選手権優勝国であり、続く2008年北京オリンピックではアメリカに敗れるも銀メダルを獲得。現在のFIBAランキングはアメリカ、ロシアに続き3位(日本14位)のいきなり超強豪国に挑んだ。
オーストラリアのスターであるローレン・ジャクソン選手(WNBAシアトル)をはじめとした主力組はWNBAシーズン真っ只中のため代表には合流せず。それでも、北京オリンピックに出場選手が5人おり、吉田選手(JOMO)、藤吉選手(シャンソン)も出場した2007年U-21世界選手権で日本代表を苦しめた(結果は72-91で日本は敗戦)ジェンナ・オヘア選手やエリース・ペナルナ選手もいる。
さらに日本代表オフィシャルサイトにて第2戦の写真を見ると、諏訪選手(JOMO)の前に立ち塞がる選手とは頭1.5個分大きく、日本では体格良い諏訪選手が小さく見えてしまう。やはり格上であることは間違いない。
初戦は63-98と35点差を付けられ、順当な完敗である。しかし、続く第2戦は1Qから20-20と互角な戦いをし、初戦で出場機会の無かった名木選手(富士通)が20得点を挙げる活躍。前日の35点差から一気に点差を縮め、82-92、10点差の惜敗と躍進。第3戦は序盤からオーストラリアの強さが勝り38-19とWスコアで1Qが終了。そんな大差にも心を折られることなく食らいつき、終盤5点差まで詰め寄るも、最後は引き離され84-97、13点差で3連敗でオーストラリア遠征は終了。
どちらにとってもお試し期間の強化試合だが、初戦以降、情報がインプットされた瞬間に点差を詰める適応力は、今後に向けて大いに期待ができる。3連敗という結果ではあるが、日本が目指す方向性は間違っていなかったと、中川ヘッドコーチは手応えを掴んだことだろう。
「世界選手権もオリンピックへ向けての強化の一環」と中川ヘッドコーチは明言し、ロンドンオリンピック出場へ向けて突き進む女子日本代表。とかく男子ばかりに話題をさらわれてしまいがちだが、女子こそ世界と近く、そして強い。
さらに、激しいディフェンスからブレイクを出し、確率高いアウトサイドシュートを決める日本の特徴を生かしたバスケットスタイルを確立しつつある。オーストラリア代表に3連敗はしたが、ますます世界選手権でどのような活躍をしてくれるのか、楽しみになった。
8月には国内親善試合が行われる。世界選手権を前に、スピーディーなバスケットを堪能すれば、絶対に応援したくなるはずだ。何より、愛らしい選手たち。男性ファン必見!笑
ロンドンオリンピックへ向けた戦いは、すでに始まっている。今週末6/19、20にはFIBAアジア中央理事会でロンドンオリンピックアジア地区予選を兼ねたFIBAアジア選手権の開催地が決まる。日本も長崎県大村市体育文化センターを開催地として立候補した。ホームコートアドバンテージを確保できるかどうか?世界と戦う日本代表の活躍は見逃せない。
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