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空白の1年

189名→33名

1/27(水)に行われたbjトライアウト二次選考。189名が参加した一次選考からこの日のトライアウトへ進めたのはたったの33名。アーリー・チャレンジ制度により、早ければ2/6以降の試合からプロ選手としてbjリーグのコートに立てる権利を得た。
二次選考に集まった選手リストを見てみると大学新卒組から各チームの練習生、そしてJBL経験者まで様々な経歴の持ち主がいる。年齢的に見て、新卒が大半を占める中、大学後のプレイグラウンドが表記されていない選手が4名いる。そのうちの二人は高校バスケを盛り上げ、将来を嘱望されていたはずの有名選手。
昨年のトライアウトは、故障で参加できなかった太田 匠選手(23歳:190cm/100kg/G 延岡学園→早稲田大学)と最終選考まで残るもチームからの誘いが無かった山本エドワード選手(23歳:173cm/72kg/G 北陸→大東文化大学)。この名前にピンと来た方もいるかと思うが、彼らの略歴を紹介しておこう。

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日本代表候補になった男とJBL相手に20得点した男

太田選手が高校2年時のウィンターカップ2003準決勝、延岡学園vs能代工高戦。190cmある太田選手をPGとして起用する秘策で臨んだこの一戦は、4Q序盤までは競っていたが振り切られ敗れるも、このビッグガードに期待は高まる。NBAウィズアウトボーダーズに選ばれたことを筆頭に、U-18日本代表選出、U-24候補、A代表候補として名前を連ねた。
山本選手も強豪・北陸高にてインターハイ準優勝、国体3位、ウィンターカップ2004準優勝という輝かしい成績を残した高校3年時。オールジャパン2005では、クラブチーム・柏リーブスを破ってベスト8入りを果たし、JBL松下電器(現パナソニック)と対戦。68-107で敗れるもJBLチーム相手に20得点を奪い、両チーム合わせてもトップの得点を挙げた。
バスケエリートとして将来のレールが敷かれていたはずの二人に訪れた「空白の1年」に迫った。

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※写真上のように太田選手は、トライアウトで支給されるリバーシブルは小さくて入らなかったので自前のウェアを持参。中国語らしき名前が背中に入っていたので、どこかの国でプロとしてプレイしていたのかと思いきや、「U-18日本代表でチャイニーズタイペイと戦った際、相手チームとユニフォーム交換をしてもらったものがちょうど良かったから」と説明してくれた。

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ショック→再燃→乏しい環境

昨年、どこのチームからもオファーが無かった山本選手は、「落ちたショックで、半年間くらいバスケをやる気になれなかった」と言う。「正直言ってバスケに打ち込みたいという気持ちもそれほど無かった」と同じ頃を振り返った太田選手。ケガの影響もあり、バスケへの情熱は薄れていた。
どのような心境で再びバスケに向かう決心を固めたのか?と問うと、二人とも同じような言葉を選び、「自分にはバスケしか無い」「気持ちを切り替えて」再始動した。
だが、学生バスケを引退すると急にプレイグラウンドは無くなるのが日本のバスケ環境。彼らも同様に「全然バスケをする場所が無かった」と言い、苦労しながらも、仲間たちの伝手を辿って練習場所を確保。太田選手は、「(実家の)佐世保で働きながら、クラブチームや米軍基地など少しでもレベルの高い環境を求めて練習して」おり、山本選手も「大学に限らず、知り合いの学校や実業団の練習に参加させてもらったりしながら」それぞれトライアウトまでにバスケ勘を取り戻す作業をしてきた。

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バスケ浪人

「辞めることはいつでもできます。とりあえずできるところまで、誰かが自分のことを認めてくれる人がいたら良いなと思ってがんばってます」と語る太田選手、トライアウトの出来はどうだったのだろうか?「うーん。半分半分ですね。今持っているベストは出し尽くせたし、自分のことを気に入ってくれて、どこかのチームでプレイできれば良いですね」と答える表情は明るい。
山本選手は、昨年の経験をどのように踏まえて挑んだのだろうか?「昨年はトライアウト毎にパフォーマンスや気持ちの部分が区々でしたので、今年はいつでもどこでも真剣にバスケに取り組もうと思って準備しました」。
最後に、万が一どこのチームからオファーが無くてもバスケを続けるのか?という意地悪な質問をした。「諦めないでがんばりたいです」と太田選手、山本選手は「地元の島根にもチーム(島根スサノオマジック)ができますので、ドラフトに引っかからなかったとしても、今後もチームトライアウトなどにどんどん挑戦していきます」と、力強くバスケを諦められない決意を示した。
トライアウトがあればプロバスケ浪人する選手も今後増えて来る可能性はある。夢を諦めない選手たちの受け皿はどのような環境が良いのだろうか?今すぐに結論は出ないが、日本のバスケ文化を進化させるためにも、大人のためのバスケ環境整備は必要だと改めて考えさせられた。





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