たいていのカードゲームにおいて、ジョーカーはワイルドカード。重宝する存在だ。
反面、最後まで持っていると負けてしまうルールもある。ババ抜きはもちろん、大富豪でも最後に出して上がるのは反則である。
ロンドンオリンピック予選がもうすぐ始まる。
女子は今週末8月21日に開幕し、9月15日より開幕する男子もすでに1ヶ月を切っている。女子ハヤブサジャパンのメンバー12名はすでに確定済み。男子ハヤブサジャパンは8月19日にブレックスアリーナ宇都宮で行われるチャリティクリニック&公開練習時のメンバー14名が発表された。このメンバー+石崎 巧を含めた中から最終12名に絞られると予想する。
日本が悲願のオリンピック出場を目指すため、アジアと対等に戦うためにも、多大なる期待を寄せられている選手がいる。説明不要ではあるが、田臥勇太(リンク栃木)と渡嘉敷来夢(JX)だ。田臥は日本人唯一のNBAを経験した存在。渡嘉敷は走れる190cmとして次世代バスケを体現する若き逸材であることは、言うまでもない。
しかし、この2選手はケガのため調整が遅れ、チーム練習に参加できていない期間が長かった。先日の女子ハヤブサジャパン公開練習時に「痛みを理由にせず全力でやる」(共同通信)と渡嘉敷のコメントが載っている通り、まだ完治しきってはいないようだ。田臥もまた、中南米遠征を不参加した。
確かに、女子バスケにおいて190cmは魅力的だ。
確かに、トム・ウィスマンHCが率いたリンク栃木優勝の立役者は田臥であり、川村とのコンビも問題無い。
しかし......。
練習ができていない中、体力面はどうなのか?実戦から遠のいており、ゲームの中での走力やゲーム感、さらにチームとして合わせるプレイなどいくつもの不安が残る。
昨年行われたアジア競技大会でのカタール戦。田臥がスティールした後、自ら狙ったラストショットが外れ1点差で敗れた。当時、反日感情強い中国人たちの歓声がこだまする中、ゴール裏でしばらく天を仰いでいたその姿は忘れられない。
女子U-18日本代表はアジアを制し、中国にも、韓国にも、全く苦手意識が無い渡嘉敷もまた負けず嫌いだ。
この二人は日本代表にとってジョーカーである。
世界を知る経験値、未知数の身体能力。これらをうまく使えば日本の追い風になる。しかし、一歩間違えればババとなり、最後の最後まで残しておいたことによりブレーキにもなりかねない。
これから待ち受けるアジアとの真剣勝負。
あくまで最後の切り札は、これまで辛い練習を一から全うしてきた選手たちに委ねるべきだ。日本にとっては信頼を寄せられる若手は男女とも育っている。例えば、広瀬健太しかり、髙田真希しかり。
田臥、渡嘉敷の二人がチーム作りの最初から全うしていてくれれば、これほど心強いワイルドカードはない。実際にはラスト1ヶ月を切ってもなかなかチーム練習に参加できずにおり、さらに両者とも日本代表としての経験は浅く、オリンピック予選はもちろんアジア各国が躍起になって世界の舞台を目指すFIBAアジア選手権も初めてである。
女子ロンドンオリンピック予選まであと3日。現実的に渡嘉敷はもう替えは効かない。その活躍を応援し、祈るしかない。
しかし、男子はまだ14名+αで最後のドイツ遠征が待っている。同ポジションの正中岳城は、ジョーンズカップにおいてチームを鼓舞し、得点でも大活躍を収めた。男子はまだ間に合う。
最後の切り札はジョーカーではない。ウィスマンHCは一体どんなカードを揃えて本番に臨むのか?
まずは明日8月19日(金)ブレックスアリーナ宇都宮で開催される公開練習時、田臥がどこまで全力で練習できるのかが、見物である。
ClutchTimes(泉)
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